【あま市立甚目寺中】「感謝の気持ちを伝え合う、心の交流活動」
- 公開日
- 2015/12/21
- 更新日
- 2015/12/21
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
本校は,人権教育をすべての教育活動の根幹に据えて取り組んでいる。人権教育について各教科,道徳の時間,総合的な学習の時間,特別活動を網羅した年間指導計画を作成し,計画的に人権教育に取り組むことで,実践的な行動力を育むことをねらいとしている。そして,あらゆる人権問題について考える機会とする毎月の「人権タイム」が定着している。そうした人権教育の耕された土壌の上に,4年前から,「東北応援プロジェクト」の取組を,「人権タイム」や特別活動の一環として継続して行っている。人権教育の核である「人権タイム」と道徳の時間とを効果的に結び付けることで,生徒の人権感覚を高めることができている。
人権に関する「知識」と,人権感覚をしっかりと結び付けることができれば,生徒に確かな実践的な行動力を身に付けさせることができると考える。知識や価値の教え込みで終わらないように,話し合い活動をできるだけ多く取り入れる。また,東日本大震災後,交流をもち続けている宮城県の生徒代表を,夏休みに甚目寺中学校に招待し,交流会をもつ。
本年度は,交流会までの取組を中心に,自分の考えを生徒同士で伝え合うことができる生徒を育てる。そして,「ありがとう」の感謝の気持ちを伝え合うことができる生徒を育てながら,心と心をつなぐ実践的な行動力を身に付けさせたい。
4月の「人権アンケート」の,「もし誰かが仲間はずれや差別をされたらどのように行動するか」という項目において,昨年度に比べ「見て見ぬふりをする」という生徒が増加した。その要因として,生徒同士のコミュニケーション不足が関係していると考えた。そこで,昨年度の「いじめ問題」の積み上げとして,今年度はコミュニケーションをとることの大切さを学び,いじめの防止に役立てたいと考えた。人権作文「いじめがない理由」を読み,文中の学校にいじめがない理由や,いじめを防止していくためには何が必要であるか話し合わせた。話し合い活動の中で,お互いの気持ちを大切にすることや先入観をもたずに多くの生徒を受け入れる等の意見が発表された。そこで,道徳ではコミュニケーションの大切さをより深めるために,ソーシャルスキルゲーム「宝探し」を行った。
さらに,『世界がもし100人の村だったら』の資料を用いて,世界の子どもと自分自身が置かれている生活環境を比較することにより,今の幸せに感謝し,人を思いやる心を育てたいと考えた。「愛すること」とは,相手のことを理解し,差別をなくし幸せを分け合うことや,自分のことだけでなく他人も大切にすること等の意見が発表された。その中でも,「声を積極的にかける」「相手を信頼する」のような,コミュニケーションが大切であると考えられる意見も発表された。道徳では「子ども問題」の国際理解,人類愛に関連付けて,明るい人生『あふれる愛』について授業を行った。マザー・テレサの生き方や考え方から,人のためにつくすことや人を見放すのではなく,誰でも大切な存在であることを学ぶことができてきた。
「人権タイム」と道徳の時間において話し合い活動を行うことが定着し,このことで,「ありがとうをひろげよう活動」や「東北応援プロジェクト」において「感謝の気持ちを伝え合う」という具体的な人権教育上の実践力を発揮する土台を築くことができた。