【豊橋市立豊城中】 合言葉は…?
- 公開日
- 2016/08/29
- 更新日
- 2016/08/29
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
本校には、暗黙のうちに全員が共通認識しているキャッチフレーズがあります。それは「知性・品性・感性あふるる豊城中」。明文化されてはいないのですが、体育館に横断幕として掲げられ、豊城中の生徒として、生活の様々な場面で、また行事のたびに先生が、また生徒みんなが呼びかける合い言葉となっています。
さて、今年四月に着任した校長先生は、実は新任の時代にも本校で勤務されていて、現在のところ本校の在籍歴の最長を誇ります。折に触れ、朝会や集会の場で生徒に、そして先生方に昔のエピソードや校内にあるものの様々な謂(い)われを聞かせてくださいます。その一つが下の写真です。校内には、体育館と職員室横に掲げられている立派な扁(へん)額が何枚かありますが、毎日何となく目にしているこの扁額のルーツをある日の朝会で教えてくださいました。
本校は、市の中心部にありながら、東には吉田城を抱える豊橋公園、北には母なる豊川が隣接し、緑と水の豊かな学校です。昭和の中頃の校舎改修の際に、校内の大きな欅(けやき)を伐採したそうですが、その欅が地元の書家の協力のもとに4枚の扁額に生まれ変わり、校内に掲げられているということだそうです。そのうちの一枚(写真右下の扁額)に書かれている言葉は「真善美」(体育館に掲げられたこの額は見慣れていても、書かれている言葉はこれまでおそらく誰も読めていなかったので、生徒も先生も何だかもやが晴れてスッキリしたようです)。この「真善美」という言葉には【認識上の真(まこと)と、倫理上の善と、審美上の美。人間の理想としての普遍妥当な価値】(引用:日本大百科全書)という意味があるのだそうですが、次のようにも書かれていました。【知性(認識能力)、意志(実践能力)、感性(審美能力)のそれぞれに応ずる超越的対象】これらはどうやら西洋の哲学的伝統からきている意味合いのようですが、よく見れば、これらは冒頭のキャッチフレーズと同じであることに気づきます。「物事の普遍的(変わることのない)価値を重んじて生きること」の大切さを説いた扁額の言葉とみんなの合い言葉であるキャッチフレーズはしっかりとつながっているということを再認識し、改めて志を高くもってこれからの毎日をがんばる励みにしなければと思います。
ちなみに、本校の卒業生には、この環境で三年間の中学校生活を送り、その後も高校、大学、社会人と不断の努力を続け、ついに今夏のリオデジャネイロオリンピック出場をかなえた鈴木亜由子さんがいます。まさしく合い言葉を体現している在校生の最高のお手本となっています。