【春日井市立鷹来中学校】わたしのせいじゃない?
- 公開日
- 2017/12/04
- 更新日
- 2017/12/04
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
3年生で、絵本「わたしのせいじゃない—せきにんについて—」を教材にした道徳の授業公開を行いました。絵本の中では、ひとりで泣いている子に対し、周りの14人の子供が様々な証言をしています。
「はじめたのは わたしじゃない ほかのみんなが たたきはじめたのよ わたしのせいじゃないわ」
「はじまったときのこと みていないから どうしてそうなったのか ぼくはしらない」
「そんなことがなかったら その子のこと ほとんどわすれていたわ なにもいわないんだもの」
生徒たちは「いじめが起きているのではないか」とその状況を捉えました。改めて14人の証言をよく読み、「泣いている子をいじめているのは誰なのか」について個人で考えました。そして、グループで考えを伝え合い、「何をもって『いじめ』をしたことになるのか」について意見を交わしました。「いじめている」「いじめていない」の線引きから始まった議論は、次第に「泣いている子の気持ちを考える」方向へと進み、話合い後の全体発表では、半数の班から「14人全員がいじめをしていると考えるべきだ」という考えが発表されました。
この絵本では、後半部分に「ごみであふれる埋立地」や「紛争地域で武器を手に持つ子供」「原油にまみれた渡り鳥」「栄養失調の飢えた子供」など、世界の写真が列挙されています。授業では、後半部分の写真を見た後で、作者がこの本の副題を「せきにんについて」とした理由を考えました。
生徒の意見です。「作者は私たちに世の中で起きているどんなことも他人事のように思ってほしくないということを伝えたかったのだと思う。その意味では、いじめも紛争も環境問題も同じだと思った。」
目の前で起こる「いじめ」はもちろんのこと、世の中で起こる様々な出来事に対して、「自分事」として捉え、行動に移すような生き方ができる人物の育成を今後も目指していきたいと思います。