モラルBOX日記

【豊川市立萩小学校】子供たちの「もやっと」に焦点を当てて

公開日
2019/08/28
更新日
2019/08/28

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 本校では、「自分の置かれた状況を見て、自分で考え、仲間と協力して行動できる子」を目指し、学級会を中心とした話合い活動の授業実践を行っています。2年生の道徳科では、この目指す子供の姿に近づくための手立てとして、子供たちの問題意識に焦点を当てた道徳科の実践を行いました。「およげないりすさん」の資料の読み聞かせを通して、子供たちが、「何だか心に引っかかったな」「もやっとしたな」と感じた場面を問い、実際にその場面でどうするとよかったのかを具体的に話し合いました。
 資料では、「仲間の中で泳げなかったりすさん一人を置いて、島の向こうまで遊びに行ったが、何だかつまらない」という場面に子供たちの意見が集中したため、「みんなが楽しい気持ちで過ごすにはどんな気持ちが大切なのか」ということを課題にあげました。
 子供たちが、より自分事として、主体的に考えられるように、「りすさんを置いていってしまった次の日、仲間たちは再びりすさんに会ったらどんな思いか」「何と声をかけるとよいか」を話し合いました。話し合ったことを、「りすさん」と「りすさんを置いていってしまった友達」の役割に分かれて、2人組で役割演技を行いました。
 資料の終末では、泳げる仲間たちが、泳げないりすさんを背中に乗せて泳ぎ、みんなで島まで遊びに行くことになります。子供たちの演技の中には、「昨日、ぼくたちがもうちょっとよく考えて、りすさんを乗せてみんなで行けばよかったよ」「一人で悲しい思いをさせてごめんね」などの言葉があり、失敗してしまった立場から、具体的にどうすれば関係を修復できるかを考えることができました。
 授業のまとめとして、学習課題「みんなが楽しい気持ちで過ごすためには、どんな気持ちが大切か」を問うと、「やさしい気持ち」「みんな一緒にという気持ち」「相手がうれしくなるようにすること」「友達の気持ちも考えること」など、子供たちなりの大切にしたいことがワークシートに書かれていました。
 今後も、子供たちの問題意識に焦点を当てた授業展開を心掛け、より本校の目指す子供の姿に近づくような実践を行っていきたいと考えています。