【岡崎市立福岡中学校】 真の親切とは?
- 公開日
- 2019/11/22
- 更新日
- 2019/11/22
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
中学2年生の教材「松葉杖」で、授業を行いました。交通事故で1年以上も登校できず、松葉杖を使う姿で転校してきた大野くん。最初は、大野くんに親切にしようとみんなで話し合い、自分の得意なことで大野くんのために役立とうとします。ところが、大野くんは、勉強も将棋も誰よりもうまくできる人であるということが分かるにつれ、親切にする気持ちが失せていきます。そのうち、大野くんに親切にしようとする人は、いなくなりました。ある日、大野くんの松葉杖に引っかかって転んだ女子たちが、大野くんを責め立てます。それを見た伊藤くんが、「みんな誰のために親切にしてやっていたんだ」と投げかけます。
授業では、「生徒たちの親切は、親切と言えるのだろうか」と問いかけました。親切とは言えないと主張する生徒に対して、ある生徒は、「大野くんの役に立つことをしたのだから、紛れもなく親切だろう」と言いました。すると、「相手が、自分よりよくできると分かったとたんやらなくなるなんて、相手を悲しませるのは、親切ではない」「自分の自己満足で相手に押しつけていただけで、親切とは言えない」「相手のことを思う気持ちがない親切は、本当の親切ではない」「思いやりのない親切は、存在するのだろうか」と疑問が膨らみました。
さらに、「見せかけだけの親切があるとしたら」と問いかけると、「先生によく思われて成績をあげるためにする親切」「お年寄りに何か買ってほしくて、悪い人がする詐欺のような親切」などがあがりました。「それをレベル0とすると、教材の生徒の親切は何レベル」と問うと、「30から40レベル」「自分のアピールも入っているし、自分より上とか下とかで親切をするのは本当の親切ではないと思う」「100レベルの親切ってどんな親切だろう」そんな問いかけの連続の中で、生徒たちは、思いやりの表れであるべき真の親切に気づき始めました。自分のこれまでの親切は、どうだったのか。授業の振り返りの時間には、自分の親切のレベルについて自己評価し、これからどんな親切をしていきたいかについて考える姿がありました。