【岡崎市立矢作中学校】きまりはなぜ必要なのかを考える
- 公開日
- 2020/03/03
- 更新日
- 2020/03/03
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
本校では、全校生徒の半数以上が、自転車通学をしています。自転車通学の許可申請書には、様々な決まりが書かれ、それらを遵守することを約束し、許可を出しています。また、自転車点検や通学団会などを通して、規範意識を高め、安全に登下校するための活動をしています。
そこで、本年度、3年生の道徳科の時間を使い、「2通の手紙」という資料を通して、決まりやルールについて考えることにしました。授業を行う前に、「決まりを破ってしまったことはあるか」という質問で、事前アンケートを実施しました。ほとんどの生徒が、「決まりを破ったことがある」と答え、具体的な場面として、学校生活の決まりや交通ルールなどが挙がりました。アンケートの結果を授業の導入として使い、授業を進めました。
授業では、「決まりは、なぜ必要なのか」という課題で、入場終了時刻を過ぎて、幼い姉弟を入場させた動物園職員の行動について考えました。生徒たちは、幼い姉弟の置かれている環境に共感し、「よい行いをした」「決まりを破ることになってしまったけれど、親子から感謝されてうれしかったと思う」などの意見が多く出てきました。そこで、「この2通の手紙のおかげ」というその職員の言葉を振り返り、「2通目の手紙である、懲戒処分の手紙を大切にしているのはなぜか」と問い返しました。すると、「姉弟の命が失われていたかも」「今回は、たまたま無事だっただけ」など、決まりを破ることで起こる可能性について話が及び、「決まりが、来園者の安全のためにある」という視点で考えを深めることができました。
最後に、授業の感想を自分の生活と関連させて書くように伝えました。生徒の感想には、「なぜ、そのルールがあるのかを考えて、ふだんの生活を送っていきたい」「並走禁止などのルールも、自分たちの命を守るためのものなので、話したくなっても我慢して行動したい」など、自分ごととして規範意識を高めることができました。
このような授業の取組が、規範意識を高め、より安全な登下校につながっていくことを願っています。