【愛西市立立田中】やり残した掃除
- 公開日
- 2012/06/28
- 更新日
- 2012/06/28
ちょっといい話
春休みの中学校。一年が終わり、また新しい一年を待つ端境期。そんなのんびりとした学校に、威勢のよい声が響きました。
「こんにちは。」窓から覗くと十数名の卒業生が笑顔で立っていました。「先生、僕達、やり残した掃除をしたくて来たんです。」 「在学中に先生から清掃活動の大切さを何度も何度も教えていただいたのですが、在学中は、短い清掃の時間で思う存分掃除ができませんでした。卒業してみて、これでもう二度と母校の掃除もできないのかと思うと、たまらなく残念で悔しくなってきたのです。だから、今日は一日かけて母校の掃除、特に学校中のトイレ掃除をしようとみんなで話し合ったのです。」
こんな爽やかな言葉から始まって、日が暮れる直前まで、彼らは嬉しそうに、勇ましくトイレ掃除に取り組みました。
その結果、全校のトイレは新品のようにピカピカになりました。溢れる笑顔でお礼を言って、満足そうに帰っていく彼らを夕日が赤く染めました。見送る私は「教師になって本当によかった。」とつくづく思いました。