モラルBOX日記

【豊田市立土橋小】校長先生から学ぶ

公開日
2013/12/11
更新日
2013/12/11

ちょっといい話

 本校は、月曜朝会や様々な行事のときに校長先生がとてもいいお話(講話)をしてくださいます。その中のお話を紹介します。
「逆転勝利「羽生マジック」の正体」(前期終業式にて)
右の写真の人、だれだか、わかりますか。将棋界で、前人未踏の七冠王に輝いた
「羽生善治」(はぶよしはる)棋聖(きせい)です。
6月に、将棋の棋聖戦五番勝負の前夜祭がトヨタ市内のホテルで開催されました。私もお招きを受けて、羽生さんとお会いできました。
 羽生さんが七冠王でいたとき、羽生さんの勝負は、終盤がおそろしく強く、かなり不利な状況もひっくりかえしてしまうことがよくありました。見ていた人は、終盤に不利な状況をひっくりかえす戦術を「羽生マジック」と呼びました。羽生さんは、その「羽生マジック」について、こう言っています。「ぼくはマジックだとは思っていません。これ以上、差がつかないように最前を尽くしているだけなのです。」と。
 多くの人は、負けそうになると、一気に逆転しようと、大技をくりだします。負けているときのサッカーやバスケットの試合では、ロングシュートをねらって、ゴールをはずしてしまいます。持久走では、前の人との差を一気に縮めようして、ペースが崩れて自滅することがあります。
 羽生さんが終盤で不利な状況をひっくり返せるわけは、一発逆転をねらうのではなく、それ以上離されないように、粘り強く、じっとくっついていく戦術をとっているからです。不利な状況のときに「はなされずについていくこと」これが「羽生マジック」の正体です。
 さて、前期が終了しました。前期を振り返ると、すでに差ができたと感じることや苦手なことが出てきたかもしれません。不利な状況になったとき、一発逆転ではなく、「はなされずついていくこと」に全力をそそいでください。すると、不利な状況をひっくりかえすチャンスが、めぐってくると思います。

「1分は60に分かれている」(月曜集会にて)
 持久走が苦手だと感じていた子がいました。試走会で、目標としている子より、1分も記録が遅かったのです。それで、その子は、その1分を縮めようと猛スピードで走りました。ところが、息が切れて、逆に大差がついてしまったのです。みなさんなら、目標としている子に追いつくにはどうすればよいと考えますか。・・
 その子は、こう考えました。「1分は、60に分かれている」1分は60秒。毎日数秒ずつ伸ばしていけば、いつか60秒となり1分になる。つまり、毎日の練習で、1秒1秒を大切にして、少しずつ記録を伸ばしていこうと考えたのです。段差の大きな階段を、一気に上ることは無理かもしれません。しかし、小さな1段なら上れるはず。持久走では、まずは1秒ずつ、記録を伸ばしていきましょう。
 さて、持久走に限らず、子どもたちが上らなければならない階段は、ほかにもあります。土橋小学校で、1年間で上らなければならない階段が10段あったとします。その1段にも、また小さな階段が10段あるのです。階段を一気に駆け上がることだけが、ベストではありません。1段ずつ、できることからやっていきましょう。