【豊橋市立豊岡中】情報モラル道徳授業実践
- 公開日
- 2014/01/24
- 更新日
- 2014/01/24
情報モラル教育実践(モラルBOX掲載用)
第2学年2組 道徳授業案
1 日 時 平成25年9月19日(木) 第6時限 2年2組教室
2 主題名 「メールの友情」 2−(3)友情 信頼
3 主題のねらい
社会の移り変わりによってコミュニケーションのあり方が変わっても、相手の気持ちを考えて伝え合うことの大切さを知る。
4 題材にかける教師の願い
中学生となり、生徒たちは親や教師などの、頼っていた存在から精神的に自立し、自分を理解し受け入れてくれる友達の存在を求めるようになる。本学級の生徒もそれぞれの交友関係の中で、心から自分のことを打ち明け合い、互いを認め合える友達を求めようとしている。しかし、メールなどのコミュニケーションツールの普及により、友達関係のあり方も多様化してきている。時には、面識のない相手とかかわることもあり、思いもかけず人を傷付け大きな事件に発展することもある。このように、今の時代を生きる生徒たちにとって、人間関係を築くために大切なことを考えるのは意義深いことと考え、本主題を設定した。
5 本時の授業
(1)資料名 アニメ ブラックジャック 18メールの友情
(2)ねらい
面識のない友達との間にも、相手の立場や気持ちを考えてコミュニケーションをとることの大切さに気がつくことができる.
(3)本時にかける教師の願い
携帯電話が普及し、気軽にメールやインターネットができる環境にある現在、メールでつながっている友達、いわゆる「メル友」やネット上の友達「ネット友達」という存在が浮かび上がってくる.「秘密性」というメールの特殊な性質の中でつながっていく人間関係は、危険性も併せもっている.このため、人とつながりたい目的でメールの世界にのめり込んでいく傾向があるが、相手が見えなくても人間関係を築く上で、人の気持ちを考えて行動することを忘れてはならない.
メールに関するアンケートの結果を見ると、学級の8割の生徒が友達とメールやSNSでのやりとりをしており、メールなどをコミュニケーションの主な手段として使っている生徒が多い.また、9割の生徒は、面識のない相手がメールで伝えていることは信用できないという考えをもっており、危険性についても知識をもっている.しかし、情報ツールもモラルを守り、大切に使っていくことができればコミュニケーション手段として素晴らしいものである.そのことを忘れなければ、人との関わり方がどうであっても、尊い友情関係を結ぶことができるはずである.本資料を通して、情報ツールの利便性と危険性に触れ、情報ツールを有意義に使用するための適切な判断力を育てるとともに、人間関係を築くために大切なことを考えるきっかけとしたい.
本資料は、手塚プロダクション製作「ブラックジャック 18メールの友情」を、教材として活用する.本資料にはジュンとトムという人物が登場する.2人は直接の面識はなく、メールやチャットのやり取りをしているが、お互いに嘘の近況報告をしていた.そんな2人が、実際に会うことになる.感動的なストーリー展開は、友情について考えさせる力がある.
ジュンがトムに偽りのメールを送る場面を通して、生徒が自らのコミュニケーションの姿を振り返ることができる.ジュンの「自分のメールで“トム“を傷つけてしまった」という思いに共感し、「メールの使い方に気を付けて、友達をより大切にしたい」という気持ちを育むことができるであろう.生徒たちがメールのコミュニケーションをするときに、ジュンやトムの姿を想起できることを期待したい.
「ブラックジャック 18メールの友情」 あらすじ
ジュンは会ったことのない、ニュージーランドに住むトムという親友がいる.2人はパソコンでメールやチャットを楽しむ間柄だ.ジュンは野球でホームランを打ったとトムに話すが、実はこの話は嘘.ジュンは運動ができない病気で、大人にならないと手術することもできない.ジュンの母親が「いずれつらくなるだけだ」と話をするが、「相手はニュージーランドだから分かりはしない」と答える.
ある日、ジュンはグラウンドで野球を見ていた.転がってきたボールを拾おうとするが、小さい頃からの足の病気でボールが拾えない.それを見たピノコ達が「うちの先生に治してもらったら?」と聞くが断ってしまう.
ジュンの母親は、父親に対し「治す方法はないか?」と聞くが「手術の出来る年齢まで待つしかない」と言うだけ.母親は「何とか出来ないか」と聞くが「ブラック ジャックなら何とか出来るかも知れない、ただ治療費は大金を請求される」と言う.一方トムとチャットを始めるジュンだが、トムは「今度日本に行く予定がある、野球の試合を見たい」とジュンに伝える.ジュンは母親に、トムに嘘をついていたことを謝るように諭されるが頑なに拒否し、ブラック ジャックのところで診察を受ける.
ブラック ジャックは、「後5年で手術が出来る」と診察結果を出すが、「野球が出来ないと嘘つき呼ばわりされてしまう」とジュンは話す.「1億で手術する」とブラック ジャックに言われた事に腹を立て、ジュンは結局家に帰ってしまう.ブラックジャックはピノコに手術をしない理由を聞かれるが、「本人に病気と向き合う気が無いなら、どんな手術もムダだ」と話す.また2人はチャットを始め、トムが日本に行く日取りが決まったことをジュンに話すが、ジュンは嘘がばれることを恐れトムに絶交の書き込みをする.
数日して、母親がブラック ジャックが100円で手術してくれることを告げる.ブラック ジャックはその経緯を話す。「ある会社の社長が手術費用をもつと申し出た.その社長は若くして父親の跡を継いだが小さい頃に視力を無くし、目を治すために日本に来たが、治療する気がなくなった」と.ブラック ジャックはその社長にジュンのことを話した.ジュンはそのことをたずねるが「直接聞いてみればいい」と言い、別室からニュージーランドからの患者、トーマス モリソンが現れる。
実は、メール相手のトムは、トーマスだった.ブラックジャックはジュンの状況をピノコから聞いていた.そして、そのことをトムに伝えていた.トムは自分が目が見えないことを話す.トムが目の手術を受けるのはジュンに会うためであり、絶交を伝えられたので目を治す必要がなくなったという.ジュンはそのことにショックを受ける.お互いに今までの嘘を打ち明け、どちらが手術するかと問答が続くが、ブラック ジャックは「2人とも手術する」と言う。
手術が成功し、友情を取り戻した二人は再びチャットを始める。
生徒Aの感想
とても難しい内容だった.メールには相手の顔が見えなくて不安になる部分があるが、今回の話みたいにそこから友情が芽生えることもあることをしった。自分も携帯電話をつかっているのでネットなどでこのようなことがあった時には、主人公たちのような友情が芽生えることがあればいいと思う。