【豊田市立豊松小】幸せにする言葉・傷つける言葉
- 公開日
- 2014/12/24
- 更新日
- 2014/12/24
情報モラル教育実践(モラルBOX掲載用)
3年生の子どもたちにとっての情報モラル教育とは何かを考えた時、クラスの子どもたちのある様子が思い浮かんだ。クラスは9名の少人数。ほとんどがこども園から一緒だったり、小さい頃から地域の顔見知りだったりで、言いたいことを言い合える仲間である。そのため、しんらつな言葉や平気で人を傷つける言葉が行きかっている。それがもとでけんかになることもしばしばである。そんな子どもたちがとても気になり、今、この子どもたちに大切なことは何かを考えた。それは、思いやりの心と言葉遣いだと思った。この2つは、今大切になっている情報モラルにも非常に役立つ、というか元になっている考え方だと思った。そこで、この2つのことを考えさせるのに適した資料「ことばのまほう」を道徳の時間に行った。
まず、始めの場面に、子どもたちは共感していた。「中から飛び出してくるのが悪い。」「悪い方がすぐあやまる。」でもせっかくゲームソフトが買えたのに、むしゃくしゃした気持ちになっていやだったという思いを残した。
次の日の場面では、子どもたちの表情が安心したものに変わっていった。ぼくが「はっとした」場面では、「きのうのゲームソフトを買いに行った時のことを思い出して、今度ゲームの子に会ったら謝ろうと思ったと思います。」「どなった後は、いやな思いが残っただけ。」「自分から先にあやまれば、いやな思いをしなくてすむ。」とぼくの思いに迫っていた。
最後に言われてうれしかった言葉を聞いた。「お手伝いをして、『助かったよ。』と言われた時は、やってよかったと思ったよ。」「何かして、『ありがとう』って言われるとうれしくなる。」などと、うれしそうに話していた。
言葉ひとつで、人を傷つけることもあれば、幸せな気持ちにすることもある。勇気を与えることもある。相手のことを思って言葉を使えば、自分も幸せになれることを知ったようだった。
そして、直接言葉を交わす時だけでなく、手紙やメールの時でも相手の顔を思い浮かべて、文字にすることの大切さを話した。
≪礼儀「ことばのまほう」の話の内容≫
ぼくは、待ちに待ったゲームソフトを買いに走って店に行き、勢いよくドアを開けて中に入ろうとして、中から飛び出してきた男の子とぶつかり、怒鳴り合う。ソフトは買えたが、むしゃくしゃした気持ちは残った。
次の日、買い物を頼まれたぼくは、メモを見ながら、陳列棚のかどを曲がったとたん男の子とぶつかり、持っていたかごを落として、みかんがころがった。その男の子は、誤りながらみかんを拾い、手でこすって汚れを落とそうとした。ぼくは、「ぼやっとしていたぼくが悪い。拾ってくれてありがとう。」というと男の子はにこっとした。その笑顔ではっとする。そして、ぼくもつられて、思わずにっこりした。