モラルBOX日記

【豊橋市立東陽中】心を育てるための「ぬくもりタイム」の取り組み

公開日
2016/12/20
更新日
2016/12/20

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

 「【正幸フォーメーション】でやったじゃん」
 体育祭に向けての練習が大詰めになったある日、こんな声が聞こえてきました。学級の中でも走るのが苦手なA子。学級全員が参加する競技で、次の人にスムーズにバトンを渡せず、いつもA子のところで時間がかかっていました。直接口には出さないものの、「A子が上手にやってくれたら…」という空気が全体に広がり、A子も暗い表情をしていました。

 本校では、毎週火曜日の朝読書の時間に、「ちょっといい話」の読み聞かせを行っています。いい話を聞くことで、生徒も教師も心が温かくなり、生活に潤いがもてるようになればと考え、「ぬくもりタイム」と名付け、活動を始めました。本年度で3年目を迎えます。
 その中で行った【正幸フォーメーション】の話。病気で体が不自由になってしまった正幸くんが、部員のサポートのお陰で、部活の引退試合に出場できたという話です。正幸くんのために、フォーメーションの確認を何度もする部員。たとえハンディがあっても、全員でそれをカバーし合い、正幸くんも含めた部員みんなで勝ち取った勝利。生徒たちはその話にすごく感動し、みんなでがんばることのすばらしさを実感したようです。
 ある子が言った、【正幸フォーメーション】の言葉を聞いた瞬間、学級の雰囲気がガラリと変わりました。バトンの渡し方を教える子、A子を励ます子、放課に練習につき合う子。学級全員でがんばろうという前向きな気持ちが伝わってきました。

 この話だけに限らず、この取組を継続的に行うことで、学級の仲間との関わりの中で他人の気持ちを考えて行動する生徒の姿が見られるようになりました。教師もまた、「ぬくもりタイム」の話から学ぶものが多いです。授業では教えられない、「人生の教科書」として、「ぬくもりタイム」は東陽中に欠かせないものとなっています。