モラルBOX日記

【豊橋市立高豊中】命と言葉の重み 大切なことに改めて気付く

公開日
2016/12/21
更新日
2016/12/21

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

 「今、こうやって学校へ来られていることも、幸せなことなんだ」
 講演会を終えて、多くの生徒が命について、そして自分たちの生活について向き合うきっかけとなりました。
 12月1日(木)人権週間に合わせて、講師に朝倉三恵さんをお招きし、命についての講演会を行いました。講師の朝倉さんは、名前の通り「三」人の男の子に「恵」まれましたが、長男の将(まさし)くんが2才の頃に小児ガンの一種、神経芽腫と診断されてしまいます。5年間の入退院を繰り返しましたが、その後2010年11月に天国へと旅立ちました。今回の講演会では、その5年間に実際にあった出来事や将くんとのかけがえのない言葉のやり取りから「命の大切さ」を教えてくださいました。
 一時退院で将くんは学校へ通うも、同級生からはばい菌扱いされました。病気が悪化して入院が続き、唯一の楽しみであった病院の売店へ将くんは出かけるも、「わがままばかり言っていたら、あの子みたいになるよ!」と見ず知らずの人が将くんを指差して我が子を泣きやませるといった心ない出来事にも遭いました。しかし、こんなにつらく苦しい出来事を受けても将くんはポジティブに受け止め、自分のことではなく、いつも周りの人のことばかり考えていました。
 講演会を終えて、生徒たちの感想には次のようなことが書かれていました。
・私は「明日嫌いな授業があるから(学校へ)行きたくない」と思うことがあります。学校へ行ける幸せを教えてくれた将くんを見習わないといけないと思いました。
・僕は友達にふざけ半分で悪口を言ってしまうことがあります。僕はふざけ半分で言っていても、相手がどう思うかと考えたら、ドキッとしました。これからは言葉遣いに気を付けようと思います。
 「自他の命を大切にする」ことは、当たり前のことですが、当たり前のことすぎてどう大切にしていけばよいのか考えると難しい問題でもあります。ふと自分の言動を振り返ると、実は知らず知らずのうちに相手を傷付けていたということも……。今回の講演会で、改めて当たり前のように今学校へ通えていることの有り難さ、友達や家族と過ごせる幸せなどを再確認できたのではないでしょうか。ふだん言えない「ありがとう」の言葉も家へ帰って家族へ伝えた生徒もいるようです。今後も今の幸せをかみしめつつ、苦しいことにもあきらめない心で立ち向かう、そんな高豊中生であってほしいと願っています。