【豊川市立代田小学校】4年生道徳科「クラスたいこう全員リレー」の授業実践
- 公開日
- 2019/08/09
- 更新日
- 2019/08/09
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
本校では、年に1回、授業参観で道徳科の授業公開を行っている。
本校の4年生は、心優しく、多くの子が友達を助けたいという思いをもっている。しかし、その友達と協力することの本当の意義を、心から納得して行動しているというより、ただ、これまで教えられてきたことを表面的に行うという、考えがまだ浅い子も多いように感じた。子供たちが、自分で道徳的価値判断を高めていく4年生という時期に、より道徳的価値判断を高めるために、子供たちが共感しやすい教材を取り上げ実践することにした。
本教材は、走るのが苦手で、本番直前に長く休んでいた男の子たけし君を、運動会で優勝しそうな種目のクラス対抗リレーで走らせるべきかという、モラルジレンマ的な内容である。授業の展開は、最初に「自分のクラスだったらどうする?」という問いで意見を聞いた。子供たちは、全員が、「たけし君がかわいそうだから参加させる」という意見にかたよった。
そこで、担任が、「本当にそれでいいの?みんなは勝つために努力してきたんだよね。本当に勝てなくて納得する?もし負けたらたけし君が責められてしまうよ」と切り返した。この発問により、子供たちは、「やはり勝つことに意義がある」と立場を変える子も出てきた。「勝つことも確かに大切だけれど、それよりもたけし君の思いを大切にしたい」という意見も出てきた。最終的には、「みんなで参加することの方が勝負より大切だ」ということで意見がまとまった。子供たちの結論は、「たけし君が参加する」という考えで変わらなかったが、切り返す前より「友達とは何か、学級とは何か」という視点で考えに深まりをもたせることができた。
保護者の方からは、「何を大切にしていくべきか、子供たちで話し合っていく姿がとてもよかった」という意見をいただいた。道徳科という教科の目標が、保護者にも伝わったのではないかと感じている。今後も、多くの実践を行い、子供たちの姿を保護者に発信していきたいと思う。