モラルBOX日記

【長久手市立北小学校】「あれ?どうっだっけ」というときに、頼りになる板書−1年生道徳「かぼちゃのつる」授業実践による板書の工夫ー

公開日
2019/08/09
更新日
2019/08/09

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 どの授業においても、授業の展開や発問について考えることが重要であることは言うまでもないが、それを更に効果的にするのが板書である。耳から入る言語情報以上に、目の前にある黒板に示された内容は、見ただけでダイレクトに児童に伝わるからだ。道徳科の授業では、資料の内容を理解すること、何について考えているのかを明確にすること、どの発問でどんな意見が出されているかをもとに、自分の考えと比較したり考えを深めたりすることが大切である。児童が、比喩的に登場人物に自分を重ねながら、自然に考えを深めていけるような板書が理想である。
 1年生の道徳科「かぼちゃのつる」は、自分勝手につるを伸ばし、周囲から注意を受けても聞き入れず、わがまま放題をしたあげく、つるを車にひかれ切られてしまうという話である。授業での様子は、以下のとおりである。
1.黒板をパネルシアターのように使い、かぼちゃから少しずつ伸びていくようにつるを貼っていく。みつばち、ちょう、すいかなどが現れて、かぼちゃに注意する場面ではお面を使い役割演技を取り入れ、かぼちゃだけでなく、やみつばちたちの気持ちにも触れていく。
2.最後にはつるを切られてしまったかぼちゃの気持ちは、板書の左側に泣いているかぼちゃの顔を貼って児童に考えさせる。右側のわがままなかぼちゃの表情と比較させることとにより、注意を聞き入れなかった後悔の気持ちに気付かせていく。
3.「つるを伸ばすときに、どんなことを考えればよかったのか」という主発問は、つるが切れる前の時間にさかのぼって黒板の中央に提示する。再度役割演技を行い、かぼちゃは、どうするべきだったのかを考えさせると、「わがままは、自分にも周りにもよくない」「注意されるのはいやだけどわがままな自分が間違っていた」「迷惑を掛けないように注意する」のような内容の言葉がやりとりの中で聞かれた。
4.本時の振り返りは、左の端にハートマークで提示する。資料から離れ、自分のこととして考えさせた。顔マークは、どの気持ちに近いかの目安として使った。
 この板書は、インパクトがあり、話の流れがつかみやすく、発問についても焦点がはっきりしていたので児童には、分かりやすかった。