【豊橋市立嵩山小学校】3年道徳科「ハチドリのひとしずく」の授業実践
- 公開日
- 2020/01/06
- 更新日
- 2020/01/06
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
3年生の道徳科で、教材「ハチドリのひとしずく」を使って授業を行いました。本教材は、「森が燃え、生き物たちは逃げたが、ハチドリのクリンキンディは水を一滴ずつ運んだ。それを動物たちは笑ったが、クリンキンディは『わたしにできることをしているだけ』と答えた」という話です。
読み聞かせをした後に、子供たちは、「1滴ずつ運んでも、火は消えないと思う」「ほかの動物は、いじわる」「かわいそう」「森や命を守ろうとするのは、すごい」「ぼくなら逃げると思う」などの感想を発表しました。子供たちの多くは、「1滴ずつでは、火は消せないのに」という物理的側面に興味をもちました。
そこで、子供たちの関心ごとを中心に、「ハチドリのしたことは、意味があるのか、ないのか」を話合うテーマとしてとして、考えていくことにしました。
まずは、3、4人のグループごとに、ホワイトボードを使って、自分たちの考えを出し合いました。意味があると考えている子、意味がないと考えている子など、それぞれが自分なりの思いや理由をすすんで述べ、「マインドマップ」を使ってグループ内で思いをまとめていきました。
次に、学級全体で話合いを行いました。意味がないと思う子たちからは、「ちょっと水をかけただけでは、消えないと思う」「命が大切だから、やっぱり逃げた方がよい」「1滴ずつかけたって、意味がない」との発言が出ました。一方で、意味があると思う子からは、「がんばって、自分にできることをやっている」「自分がやれば、ほかの動物も呼べるかもしれない」との発言が出されました。
話合いを進め、様々な考えを板書のマップで確認しました。終盤では、「一人では無理かもしれないけれど、それを見ていた他の動物が手伝ってくれるかもしれない」「あきらめないことで、奇跡が起こるかもしれない」とグループワークだけでは出てこなかった広い視野に立つ発言が見られました。その上で、自然を守るために、自分にできることをやっていることの大切さと、そこから開かれる未来の可能性について子供たちの考えが広がっていきました。
最後に、現在、世界で起こっている環境問題へ目を向けました。特に、人間の生活から出たごみが、実際に、生き物に大きな影響を与えていることを示す写真を見せました。そこから感じたこと、そして授業で考えたことを通しながら、一人一人が自然を守っていきたいという気持ちを高めることができました。