モラルBOX日記

【岡崎市秦梨小学校】差別のない世界へ今私たちができること

公開日
2020/02/10
更新日
2020/02/10

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 6年生の道徳科で、資料「マティールーサーキング牧師」を使って授業を行いました。教材は、バスの中で席に座っていた黒人女性に対し、後から乗ってきた白人男性が席を譲るように言いますが、席を譲るのを拒みます。すると、黒人女性は警察に逮捕されてしまいす。その出来事を聞いたキング牧師は、「差別」をなくす運動を起こし、その呼びかけに多くの人が賛同し、考えを正すことができました。しかし、今現在、差別が完全になくなっているわけではありません。そこで、「彼の目指した世界」について考え、「その世界に近づくために、今、私たちにはどんな考え方や行動が大切なのか」というねらいをもとに授業を行いました。
 授業では、「差別」にはどんなものがあるのかをあげるところからはじめました。すると、「男女差別」「言語差別」「人種差別」と社会科の授業で学んだことから始まり、身近な「この子はいじわるだから」という思い込みの差別や、現在、新型コロナウイルスの発症国だからというだけで差別されているということまで、幅広くあげられました。そして、「それらの差別は、してはいけないことだと思う」という子供の考えを聞いた後で、本教材に出会わせました。
 教師が白人役で、子供がバスの女性役での役割演技を行い、その時の黒人の気持ちをより深く体感し、「言われても絶対に譲りたくない」「譲らないと後で何かされてしまうと怖いから譲る」などの意見をもちました。また、その光景を見ている人の気持ちは、どんな気持ちになるだろうと考え、「見ていても、よい気持ちにならない」「自分が黒人だったら、やめてと言いたい」「やめてと言いたいけれど、やっぱり大きな事になりそうで言えない。でも差別はいけないから」など意見があがりました。
 その後、キング牧師のとった行動や考えについて知った後で、「今、私たちには、どんな考え方や行動が大切なのか」について考えをまとめました。子供たちの意見の中には、「大きなことはできないけれど、一人の人としてみんな同じように接することができるようにしたい」「〇〇だからという理由や、人から聞いている話で、その人を判断しないようにしたい」という意見があがりました。今後も、折に触れて「差別」について考えを深めていきたいと思います。