【豊橋市立二川小学校】6年生「真の友情とは」実践
- 公開日
- 2020/03/11
- 更新日
- 2020/03/11
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
「友情・信頼」の教材「ミレーとルソー」を使って授業を行いました。
導入では、「本当の友達だからできることは何ですか」と聞きました。子供たちからは、「いつも一緒にいる」「信じあって心がつながっている」という意見が出ました。そこで「逆に嘘つく友達はどうかな」と問い返したところ、「嘘つく人とは友達になりたくない」「嘘は絶対だめ」という意見が出ました。その後、「ミレーとルソーはよい友達かどうか考えながら聞いてね」と声をかけ、考える視点をもたせてから範読に入りました。
教材範読後には、「二人は本当の友達かな」と発問しました。また、話合うと同時に、子供たちの意見が比較できるよう、構造的に板書にしました。
始めと終わりの関係が明確になり、子供たちの友情に対する価値が深まってきたことから、「ルソーは、ミレーに嘘をついているよね。だったら友達としてレベルは低いんじゃないのかな」と問い返した。すると子供たちは、「先生に反対で、確かにうそはついたけれど、それは相手のことを思ったうそ」「ミレーのことを認めているからこそ、つけた優しいうそ」という、更に深い価値の発言が出ました。
収束の発問として、導入時と話合い後の価値観の変容を見るために、始めと同じ「本当の友達だからこそできることは何ですか」と発問しました。子供たちからは、「ついてよいうそと、ついてはいけないうそを使い分けることができる」「相手のよいところを認めてあげるだけではなく、お互いに認め合える」など、話合いをより所にした意見が出ました。
本実践で行った批判的観点からの問い返しは、物事を多面的・多角的に捉える考えを引き出し、道徳的諸価値や自己の生き方について思考を深める際には、大変有効でした。
また、板書については、構造的に図式化していくことで、子供たちの思考を多面的・多角的に捉えられるようにするために大変有効でした。
これからも、子供たちの問題意識から授業を展開し、補充・深化・統合したことを、子供たちが実生活に生かせるような構想を考えていく必要があると感じました。教科化にあたり、「深く考える」「議論する」道徳というものが標榜されているが、何を考えるのか、どのような方向の議論をするのか、今後も、研究に励みたいと思います。