モラルBOX日記

【飛島村立小中一貫教育校飛島学園飛島中学校】道徳科授業実践

公開日
2020/03/11
更新日
2020/03/11

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 3年生の「カーテンの向こう」の授業実践を紹介します。
 本教材は、重症患者のベッドが並ぶ病院の一室という舞台設定で、医師の回診もほとんどなく、見舞客も来ない、ただ死を待つだけの極限状態の中でのヤコブの行動から、友情や信頼、人間として生きることの自覚について考える、というものです。
 前半は、窓に近い場所を譲ろうとしないヤコブの行動について、賛成か反対かをネームマグネットを貼って立場を可視化し、理由について意見交流をしました。そこでは、譲りたくない気持ちは分かるが、他のみんなにも平等に見せてあげるべきだという反対寄りの意見が多く出ました。
 後半、ヤコブが見ていたものがレンガだと分かったとき、生徒たちは驚きの声を上げました。そして、「ヤコブがなぜこのような行動をしたのか」を問いました。そこでは、「病室のみんなに明るい気持ちと、生きる希望を与えたかったのではないか」という意見が多く出ました。中には、「ヤコブが話していた外の景色は、ヤコブが思い描く理想の景色だったのかもしれない」という意見もありました。
 生徒の感想には、「ヤコブは自分が悪者になってまで、みんなに希望を与える優しい人だとわかりました。自分もヤコブのように周りの人に希望を与えられる人間になりたい。」というものがありました。
 人間としていかに生きていくか、生きる喜びは何か、という道徳的価値を自分ごととしてとらえることができました。