【安城市立桜井小】一筆入魂 〜地域の書家に、書、そして生き方を学ぶ会〜
- 公開日
- 2012/12/11
- 更新日
- 2012/12/11
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
卒業という大きな節目を迎える6年生。桜井小学校では、この時期の子どもたちに、自分の今を見つめたり、将来を考えたりするチャンスを与えたいと地域の書道家をお招きしました。
講師を引き受けてくださったのは、書道家の横山夕葉(せきよう)先生。体育館の校歌額を書いてくださった先生です。市役所前の市民憲章を始め、市内のいろいろな場所の書を手がけてみえる、大変有名な先生です。
子どもたちは、この日のために「自分の一文字」を選んでおきました。これからの人生で大切にしたい一文字を、字のもつ意味や響き、形を考えて決めていきました。中には、家族と話し合って決めたという子もいました。
12月6日(木)、体育館に敷かれた大きな下敷きの前に、緊張して正座をする子どもたちに横山先生が話しかけました。
「墨をたっぷりつけて、思い切って書いてね。」
「楽しんで、とにかく楽しんで書けばいいですよ。」
書く前は、草書や行書、隷書など、初めて書く字の形に戸惑っていた子どもたちですが、先生の言葉に勇気をもらい、見事に筆を動かしていきました。できた作品は、どれも個性あふれる芸術作品。「自分にもこんな字が書けるんだ。」と、どの子も自分を見直した気持ちが表情に表れていました。
作品を書き終えた後、横山先生から「十年磨一剣(じゅうねんいっけんをみがく)」という言葉を教えていただきました。「どんなことでも、十年同じことをこつこつと続けてみることで何かに気付く。自分の心も変わってくる。すぐに諦めてしまわないで、続けるということには大きな価値がある。」と、心を込めて話されました。60年近くも書道に打ち込んでみえた横山先生の言葉には重みがあり、子どもたちの心に響きました。
作品には、先生のお弟子さんによって、子どもたちが手作りした落款が押されました。その後表装され、子どもたちの元に届く予定です。
出来上がった作品を見て、もう一度「十年磨一剣」という言葉の意味をじっくりと考えさせてみたいと思っています。