モラルBOX日記

【一宮市立丹陽中】優しさの輪

公開日
2013/08/09
更新日
2013/08/09

ちょっといい話

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 先日、学校にとてもうれしい手紙が届きました。簡単に手紙の内容を紹介させていただきます。
 「拝啓 謹んでお手紙申し上げます。7月28日(日曜日)午前10時半頃だったと思います。自転車でホームセンターに向かっていた私は、考え事をしていて迷路に入ってしまいました。行けばいくほど見たこともない道に出てしまい、困っておりました。そこに、前から来られた男性を見つけ声をかけさせてもらいました。簡単に指を差し教えられるだけだと思っていましたら、『僕も今からそちらに行くから一緒に…』の返事が戻ってきました。
 道すがら少し話をさせて頂きましたら、丹陽中学校の3年生で、今から陸上の県大会に行く途中だと分かりました。真黒に日焼けした精悍な顔つきの中にもあどけない少年の顔でした。ホームセンターまで一緒に行き、あいさつをして頑張ってねと労い、お礼を言って別れました。道に迷い、動転し、焦っていた私は、名前を聞くことを忘れておりました。
 中学3年生あたりは反抗期で親も年寄りも嫌な時です。私は、名前を聞かなかったことを反省し、後悔しております。彼の優しさ、清々しさを一人でも多くの人に知らせてあげたい気持ちです。全校生徒の前でどうか褒めてあげてください。悪い話が多い昨今ですが、いい子たちも育ってくれていることに嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。」
 この手紙を校長先生が、全校出校日の集会時に全校生徒の前で話をしました。当然、該当する本人はすぐ自分のことだと分かったようで、少し照れた表情をしていました。
 この話の中で、うれしいことが3つあります。1つ目は、この生徒の優しい気持ちです。こんな素敵な生徒が育っていることをとてもうれしく思いました。2つ目は、このようなお手紙をくださったことです。ていねいで心温まるお手紙をいただき、とてもうれしく思いました。3つ目は、この話を聞いた時の全校生徒の表情です。とても温かく、そしてうれしそうな表情をしていました。この手紙が生徒たちの心に優しさを育んでくれたに違いありません。小さな優しさの輪が大きな優しさの輪となって丹陽中学校全体に広がっていった、そんな瞬間でした。