【豊橋市立南稜中】中学2年一斉道徳〜“命”について考える〜
- 公開日
- 2014/09/01
- 更新日
- 2014/09/01
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
本校では毎年,6月の「学校いのちの日」の取り組みの一つとして各学年で「生命尊重」の学年一斉道徳を行っています。本年度も2年生は6月13日(金)に「100万回生きたねこ」という絵本の読み聞かせをもとにして,かけがえのない命の大切さについて改めて考えました。
この絵本は,100万回生き,100万回死んだねこが,最後の一生でそれまでとは異なる自ら望んだ一生を送り,もう決して生き返らなかったという物語です。100万回生きたねこは白いねことの出会いで,「愛すること」を知りました。ねこが本当に望んでいた生き方とは,それまでの波乱万丈な人生ではなく,満足感を覚えられる平凡な暮らしでした。しかし,その生活を堪能した後には,愛する者を失う悲しみを知りながら永遠の眠りにつくのです。白いねこを失い100万回泣いたとき,その「100万回」の中にはどんな思いが込められていたのか。喜びと悲しみの両面から,人として生きる上で大切なものとは何なのかを考えさせられるお話でした。
「生命が大切である」ということは,当たり前のこととして多くの人がきっとわかってはいることでしょう。しかし,まだ若い生徒たちにとって,自分の生命に対するありがたみや人間の命の有限さを感じる機会は少ないかもしれません。人は「生命は有限である」ということを自覚した時,自分や他の人の命の大切さや,そして生きることの素晴らしさに改めて気づかされます。そして,いかに自分が周りの人に支えられて生かされているのかということも。「当たり前と思える毎日の生活が実はかけがいのないものであることがわかった。」「これからも自分の人生の一日一日を大切に生きていきたい。」といった感想が,生徒たちの授業の振り返りには書かれていました。
(佐野洋子 『100万回生きたねこ』 講談社、1977年)