モラルBOX日記

【豊田市立井郷中】「あなたがうんちなら、この後どうする?」

公開日
2015/01/18
更新日
2015/01/18

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

本校は毎年11月の授業参観で道徳を行っています。本年は11月14日に行われました。授業内容は学年によってテーマを設定して行いました。1年生は読み物資料に『こいぬのうんち』を用いました。全体的な子どもたちの課題は、幼さゆえに引き起こされてしまう人間関係のトラブルが存在することです。そこで、自らに自信をもち、他者を尊重する精神を育むことを狙いとして、この読み物資料で授業を行うことにしました。また、物事に主体的に取り組み、自らの判断で決断できる能力を身に付けさせたいとも考えています。この資料は、自らのよさや、どのようなことで貢献できるだろうかと考えさせるためには最適なものであると、学年の教員間で話し合ったうえで選びました。
タイトルはこの授業の主発問です。絵本の話が進んでいくと、うんちくんは、まだ花を咲かせていないタンポポと出会います。そこで、タンポポは「きれいな花を咲かせるために、わたしのこやしになってほしい」とうんちくんに言います。授業では、絵本の読み聞かせを途中で止め、「あなたがうんちなら、この後どうする?」と子どもたちに問いかけました。
ほとんどの子は、「こやしになる」と答えます。一部、「こやしになると存在が消えてしまうので、すぐ答えられない。考えたい。」と答えた子もいました。「こやしになる」と答えた子の理由が着目すべきところだと私は感じました。多くの子は、「うんちのままで、悪口を言われるぐらいなら、役に立てるこやしになる。」という趣旨の理由を述べています。このままだとイヤだから、こやしになるのか。今が充実していれば、どうなのか。というところに、私は何か感じるものがありました。
多くの子どもたちは、「役に立ちたい」との考えから、こやしになると発言しています。しかし、その後に行われた“赤い羽根募金”では、私の私見になりますが、低調な参加率だったように感じています。
道徳の授業をしたから、すぐに生徒の心が育つものではありませんが、ジワジワと浸透していけばと思っています。道徳、総合、学活などをうまく関連させ、自ら主体的に判断できる人間の育成に挑戦していきたいです。