モラルBOX日記

【知多市立旭南中学校】自分を語り、仲間を受け止め、考えを深め合う道徳授業実践

公開日
2020/01/20
更新日
2020/01/20

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 本年度、本校は、「道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援事業」における研究推進校の指定を受け、研究と実践を推進しています。具体的には、「段階的に思考するスタイルを確立すること」「対立する場面をジレンマ的に扱い、自我関与が促されることをねらいとした中心発問を作成すること」「話合い(対話)を効果的に取り入れること」の三つに重点をおいて、日々の授業づくりを進めています。
 1年生の授業では、「いつわりのバイオリン」の教材を扱い、自己の心の弱さに向き合いながら、よりよく生きることの大切さを考えました。有能な弟子が作ったバイオリンを自分の作ったものだと偽り、渡してしまった主人公が、自らの行為を悔い、良心の呵責に苦しむ場面に注目させ、「あなたが主人公だったら、どうしますか」と問いました。生徒は、自分のしたことを正直に「打ち明ける」「打ち明けない」の度合いを「気持ちメーター(8等分した円)」で示した後、その理由を表明しました。自分と違う立場の意見を聞いたり、「主人公はどんな思いで涙を流したのだろうか」をグループで話し合ったりする中で、弱さや失敗に対する気持ちを様々な面から捉え、自分の考えを深めました。最後に「あなたが主人公なら、この後どうしますか」と問うと、「相手に感謝を伝える」「熱心に仕事に励む」など、今の自分より一歩前に進む思いが見られ、自己の考えの変容に気付く生徒も多くいました。
 本年度のの実践により、教員はねらいにせまる授業づくりや、生徒の意見の拾い方など、多くの面で力量を向上させています。生徒は、課題を自分事としてとらえ、本音で話し合える雰囲気が学級にできつつあります。今後は、教材を通して考えさせたい価値そのものを問う「テーマ発問」にチャレンジしていきたいと考えています。