モラルBOX日記

【新城市立新城中学校】「金ちゃん」ありがとう!

公開日
2018/12/04
更新日
2018/12/04

ちょっといい話

 今年度のはじめのことです。1本の電話が鳴りました。それは、テレビ局からの電話でした。朝の情報番組で二宮金次郎の特集をするので、本校の二宮金次郎像について話を聞きたいという内容でした。
 本校の金次郎像は、全国的にみてもかなり小柄なかわいらしい像です。「金ちゃん」の愛称で生徒たちの登下校を見守っています。
 その金次郎像には、この時期になるとある変化が現れます。それは、金次郎像が帽子やマフラーをするのです。もちろん、金次郎像が自分で帽子やマフラーをするわけではありません。誰かが帽子をかぶせ、マフラーをつけてくださるのです。元々は、地域の方が、「金次郎も冬場は寒かろう」ということで、手作りの帽子やマフラーをしてくださったようです。現在は、本校の生徒が受け継いでいます。
 しかし、誰が帽子やマフラーをしているのかはわかりません。ほとんどの生徒や教職員も知りません。調査してみると、卒業生一人から在校生一人に内緒で代々受け継がれていることだけが分かりました。毎年、木枯らしが吹き始めるころになると、帽子やマフラーをした「金ちゃん」が、私たちを出迎えてくれます。心の中が少し温かくなります。新城中学校の伝統としてこれからもずっと続いていくことでしょう。
 6月の放送では、東海地方の様々な金次郎像も紹介されていました。立って勉強するのは危ないので、座って勉強する金次郎像。時代に合わないので取り壊されてしまった金次郎像など。本ではなく、スマートフォンを持っている金次郎像もあるそうです。
 11月下旬。「寒いなあ」と感じたある朝、「金ちゃん」が帽子とマフラーをしていました。「金ちゃん、見守ってくれてありがとう」と、心の中でそんな声をかけながら、新城中学校の生徒は毎朝元気に登校しています。