【岡崎市立本宿小学校】誠実な生き方について考える
- 公開日
- 2019/08/28
- 更新日
- 2019/08/28
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
6年生の教科書で扱われている「手品師」という教材で授業を行いました。
売れない手品師が、華やかなステージでのショーを断り、ふとしたことから知り合った貧しい少年のために、手品を見せることを決断する話です。本文を読み、「どの場面について考えてみたいか」を子供たちに問うと、次のような三つの意見が出ました。
1.手品師が決断をする場面
2.手品師がどちらをとるか迷う場面
3.少年に手品を見せる場面
まず、2の場面から意見交換をしていきましたが、興味深かったのは、「自分の生活や夢のために華やかなステージを選ぶべきだ」と考える子が半数近くいたことです。6年生になると、自分の考えよりも一般的な考えを優先させる子が多いため、あまり葛藤は起こらないと予想していたからです。最初は、2つの考えが教室を二分していましたが、「手品師はお金よりも心をとった」という考え方に賛同する子が増え、最終的には、「少年を選んだ手品師は誠実な生き方をしている」という考えに至った子が、8割ほどになりました。
最後に、「誠実な生き方を実現するために、日頃から大切にしていきたいことは何か」をワークシートに書かせました。それまでの活発な議論に比べると子供たちは自分の考えを書くのに苦労していた印象でした。
授業全体としては、子供たちそれぞれが自分なりの考えをもち、活発に意見交換ができました。しかし、物語の内容を生活と結び付けて考えさせるためには、議論において教師が意見を焦点化していく必要があるという課題も浮かび上がりました。