【小牧市立大城小学校】「ここを走れば」の授業実践
- 公開日
- 2020/01/20
- 更新日
- 2020/01/20
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
教材「ここを走れば」を使って道徳科の授業を行いました。危篤の祖父のもとへ行くのに、高速道路が渋滞していた。何台か車が路側帯を走っても、父は路側帯を走らなかった。結局、祖父の死に目には会えなかった。祖父に手を合わせる父の涙を見て、主人公がハッとする場面で教材は終わる。
「こう答えれば正解なのだろう」という上辺の考えではなく、心が揺さぶられたことによる本音を引き出し、議論させることがねらいである。初めは、「自分だったら走る」が6人、「走らない」が17人だった。走る派の考えは、「祖父に生きて会いたい」「走ってもおそらく問題ない」「何台か走っていったから大丈夫」というものが多かった。走らない派の考えは、「走りたいけれど、法律に違反している」「走ることは祖父の意に反する」「走っても祖父の命は救われない」というものだった。走らない派にも、走りたい気持ちが垣間見え、そこから切り込んでいくことにした。
「走れば、少しでも生きた祖父に会えるかもしれない」という児童の考えから、話合いを始め、走る派の考えに十分耳を傾けさせた。中でも「実際この状況になったら、よくわからないけど多分走る」という考えに反響があり、走らない派の「頭では走らないと決めているけれど、実際なってみたら分からない」「すごく共感はできる。でもやはり走らない」という変化を感じとることができた。揺さぶられたことで本音で話し合うことができ、実りある時間になった。