モラルBOX日記

【刈谷市立刈谷南中学校】あなたは命とどう向き合いますか

公開日
2020/01/21
更新日
2020/01/21

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

 教材「命の選択」を使って授業を行いました。本教材は、病気に対する延命治療について「望まない」と意思表示をした祖父と、苦しむ祖父の姿を目にし、延命治療を承諾した家族との間で葛藤する父の姿が描かれています。さらに、「尊厳死」に対する複数の立場の新聞投稿を通じて、命について多面的・多角的に考え、生命を尊重する心情を育てることをねらいとし、授業を行いました。
 導入では、「選択」という言葉に着目し、これまでの生活の中で部活動の大会や進路選択など、数多くの選択をしてきたことを振り返りました。そして本教材の「選択」の難しさにつなげていきました。
 展開では、教材を読み、「祖父の意思に反して、父母が人工呼吸器を付けることに同意したことは間違っていると思うか、それとも間違っていないと思うか」を、「僕」の立場で考えました。自分の意見を明確にするために、「意思表示カード」を使い、間違っていると思う場合は「赤」、間違っていないと思う場合は「青」で示し、話し合いました。間違っている側からは、「祖父の意思を尊重すべきだ」、間違っていない側からは、「祖父に長生きしてほしいと思ったからだ」などの意見が挙がりました。その後、「尊厳死」についての記事を読み、「尊厳死に賛成か、反対か」について話し合いました。賛成側からは、「本人の意思をしっかり聞いたならよいのではないか」、反対側の意見は、「家族であれば尊厳死なんて反対するはずだ」などの意見が挙がりました。
 最後に、これまでの話合いを通して、命とどう向き合っていくかについて自分の考えをまとめました。生徒のまとめには、「どんな選択でも間違っているかどうかは誰にも分からないことが多いけれど、今回のように『命』が関わってくると更に難しいと思いました。私はずっと命を延ばした方がよいという意見だったけれど、危険な状態になっている本人の思いは誰にも分からないので、たくさん話し合ってお互いが納得しなくてはいけないと思いました」と、命について多面的・多角的に考え、生命を尊重する心情を育てることができました。