モラルBOX日記

【豊川市立中部中】生き方学習「加藤源重さんとの出会い」

公開日
2013/01/16
更新日
2013/01/16

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

 本校では、毎年、1年生を対象に、「福祉工房あいち」代表の加藤源重さんをお招きして、生き方学習を行っている。
 加藤源重さんは、旋盤工として働いていた56歳のときに、仕事中の事故で利き手の指すべてを失ったが、その困難に負けず、自ら強い意志を持って機能的な自助具を作り続けている人物である。源重さんの生き方を知ることで、強いチャレンジ精神を学び、自らの生き方を考えるきっかけを作ることをねらいとして、この取り組みを行っている。
 事前学習として、道徳の時間に加藤源重さんの半生を描いたDVDを視聴し、「三河のエジソン」の本を読んでから講演に臨んだ。
 講演当日、生徒は、テレビやCMに出演していた源重さん本人との出会いに、緊張した面持ちであったが、源重さんの静かだが力強い語り口に次第に引き込まれていった。指のない右手で自助具もつけずに、実際に鉄棒の逆上がりを見せてもらうと、驚きの声と共に自然と拍手がわきおこった。
 シンプルだが使う人のことをよく考え、工夫された自助具(発明品)の数々を実際に見せてもらい、そのアイデアの豊富さにただ感心するばかりであった。また、同じものでも何度も改良を加えて、少しでも使う人が喜んでもらえるように、あきらめずに作り続ける姿勢から、他人への優しさや不屈の精神を感じ取っているようであった。
 困難なことに出会うと、すぐにあきらめてしまったり、ネガティブな思考に陥ってしまったりしがちな中学生にとって、大きな困難にも決してあきらめることなく、常に前向きに生き続ける源重さんとの出会いは、とてもインパクトがある。自分の生き方を考えるきっかけとして、今後も継続して取り組んでいきたい。